前頁でこの法律の目的が、児童買春などの犯罪から児童を守ることであることが理解できたかと思います。
ここでは、私たち利用者が直接かかわりのある第二章の「児童に係る誘引の禁止」や、 第十一条の「児童でないことの確認」などについてみてみましょう。 これらは私たち利用者に直接かかわってくる部分で重要です。
第七条の(インターネット異性紹介事業の届出)はサイト運営者に対する規制ですが、 悪徳サイトを見極める参考になりますので時間があればご参照下さい。
条文
第六条 何人も、インターネット異性紹介事業を利用して、次に掲げる行為 (以下「禁止誘引行為」という。)をしてはならない。
- 児童を性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、 他人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、 若しくは他人に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。) の相手方となるように誘引すること。
- 人(児童を除く。第五号において同じ。)を 児童との性交等の相手方となるように誘引すること。
- 対償を供与することを示して、児童を異性交際(性交等を除く。次号において同じ。)の 相手方となるように誘引すること。
- 対償を受けることを示して、人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。
- 前各号に掲げるもののほか、児童を異性交際の相手方となるように誘引し、 又は人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。
第二章 児童に係る誘引の禁止 の解説
ここではあくまでも児童の異性交際の誘引についての禁止事項であり、 児童買春行為自体については触れていません。
児童買春は次の法律で規定されてます。
また異性交際の誘引なので、同性つまりホモやレズなどの交際には対象外です。
つまり同性の性的好奇心を満たす行為の誘引は、児童でも問題ないということなのでしょうか?
ただし、異性同性に関係なく児童買春行為は上記の法律で処罰の対象となります。
私たち利用者が注意すべきことは、 児童の異性交際を目的とした書込みをしないということです。
たとえば次のような掲示板への書込みです。
このような児童を対象とした書込みをしたものは、実際に異性交際を行ったか否かにかかわらず その書き込みをしただけで処罰の対象となりますので気をつけましょう。
第三章は第七条から第十七条で構成されています。
- 第七条(インターネット異性紹介事業の届出)
- 第八条 (欠格事由)
- 第九条(名義貸しの禁止)
- 第十条(利用の禁止の明示等)
- 第十一条(児童でないことの確認)
- 第十二条(児童の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止措置)
- 第十三条(指示)
- 第十四条(事業の停止等)
- 第十五条(処分移送通知)
- 第十六条(報告又は資料の提出)
- 第十七条(国家公安委員会への報告等)
ここではサイトを選ぶ時のポイントとなる、第七条(インターネット異性紹介事業の届出)と、 会員登録する際に必要な、第十一条(児童でないことの確認)についてみてみましょう。
条文
(インターネット異性紹介事業の届出)
第七条 インターネット異性紹介事業を行おうとする者は、 国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を事業の 本拠となる事務所(事務所のない者にあっては、住居。第三号を除き、 以下「事務所」という。)の所在地を管轄する都道府県公安委員会 (以下「公安委員会」という。)に届け出なければならない。 この場合において、届出には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
- 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
- 当該事業につき広告又は宣伝をする場合に当該事業を示すものとして使用する呼称 (当該呼称が二以上ある場合にあっては、それら全部の呼称)
- 事業の本拠となる事務所の所在地
- 事務所の電話番号その他の連絡先であって国家公安委員会規則で定めるもの
- 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
- 第十一条の規定による異性交際希望者が児童でないことの確認の実施の方法 その他の業務の実施の方法に関する事項で国家公安委員会規則で定めるもの
- 前項の規定による届出をした者は、当該インターネット異性紹介事業を廃止したとき、 又は同項各号に掲げる事項に変更があったときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、 その旨を公安委員会(公安委員会の管轄区域を異にして事務所を変更したときは、 変更した後の事務所の所在地を管轄する公安委員会)に届け出なければならない。 この場合において、届出には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
第三章 第七条(インターネット異性紹介事業の届出)の解説
インターネット異性紹介事業を運営するにあたり、 事業者は第七条のように所轄の公安委員会に届けなければなりません。
従ってこの届出を行っていないサイトはもぐりの違法サイトで危険です。
サイトを選ぶ場合は、最低限でもこの届けてがされているかどうかを確認しましょう。
例えばインターネット異性紹介事業の届出認定番号は次のように明記されています。
条文
(児童でないことの確認)
第十一条 インターネット異性紹介事業者は、次に掲げる場合は、 国家公安委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、 これらの異性交際希望者が児童でないことを確認しなければならない。 ただし、第二号に掲げる場合にあっては、第一号に規定する異性交際希望者が 当該インターネット異性紹介事業者の行う氏名、年齢その他の本人を特定する事項の確認 (国家公安委員会規則で定める方法により行うものに限る。) を受けているときは、この限りでない。
- 異性交際希望者の求めに応じ、その異性交際に関する情報をインターネットを 利用して公衆が閲覧することができる状態に置いて、これに伝達するとき。
- 他の異性交際希望者の求めに応じ、前号に規定する異性交際希望者からの 異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いて、 当該他の異性交際希望者に伝達するとき。
- 前二号の規定によりその異性交際に関する情報の伝達を受けた他の異性交際希望者が、 電子メールその他の電気通信を利用して、当該情報に係る第一号に規定する異性交際希望者と 連絡することができるようにするとき。
- 第一号に規定する異性交際希望者が、電子メールその他の電気通信を利用して、 第一号又は第二号の規定によりその異性交際に関する情報の伝達を受けた他の異性交際希望者と 連絡することができるようにするとき。
第三章 第十一条(児童でないことの確認)の解説
サイトに会員登録する際に避けて通れないのが、この第十一条に規定されている 「児童でないことの確認」です。
平成21年2月1日から、この確認方法が厳格化されました。
施行規則によると確認はクレジットカードもしくは、 運転免許証など公的な身分証明書の提示などで行うことができます。
身分証明書の提示は全ての内容を提示する必要はなく、下記の3点が確認できれば良いことになっています。
本人の氏名や住所、写真などは不要です。
この確認は事業者が利用者にIDとパスワードを付与してサイトへのアクセスをさせる場合は、 毎回行う必要がなく一度だけの確認で良い事になっています。
この「児童でないことの確認」を行っていないサイトは違法サイトです。
また上記以外の個人情報を求められるようなことがあれば、それは詐欺サイトです。気をつけましょう。
18歳未満の児童がサイトの利用ができないことは知っていても、 児童との異性交際に関する書き込みが処罰の対象になることは、意外と知られていないかもしれません。
私たち大人はこの法律の役割をよく理解し、 18才未満の子が児童買春などの犯罪に巻き込まれないよう注意すべきです。
出会い系は成人同士が純粋に「知り合う」ためにあるものです。 その存在自体は何の問題もありません。
サイト内で知り合った成人の男女が不倫や浮気など合意の上で肉体関係を持っても、 民事的な責任を問われることはあっても刑事罰を受けるようなことはありません。
ただ、サイトが児童の援助交際など、犯罪の温床になっていると世論はこれを許しません。
サイトを悪用する大人と子供がいるために、 出会い系自体が悪であるかのような誤解を与えてしまいます。
ほんの一部の人間が、自分の欲望のために世の中のルールを破り 既存のシステムを悪用すると、健全な利用をしている人達に迷惑がかかります。
サイトを利用する成人一人ひとりがそれを認識し、 善悪の境界線を子供に教えるのが大人の役割でもあります。