1. 利用者に関する罰則

第六章 罰則

規制法の解説の最後に、気になる罰則規定をみてみましょう。

罰則については、第六章の第三十一条から第三十七条に記載されています。

この罰則の多くは、インターネット異性紹介事業者すなわちサイトを 運営管理している事業者に対するものです。

これら罰則の最高刑罰は、「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金」程度です。

以外と少ないと感じるのは私だけでしょうか?

私たち利用者に関係するものは、第六条の「第二章 児童に係る誘引の禁止の条項」 に関する罰則になります。

刑罰の当事者にならないよう、第六条だけでもよく理解しておくようにしましょう。

第六章 第三十一条

条文

第三十一条  第十四条又は第十五条第二項第二号の規定による命令に違反した者は、 一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第十四条は、インターネット異性紹介事業者の「事業の停止」に関する条文です。

第十五条第二項第二号は、インターネット異性紹介事業者の「処分移送通知」に関する条文です。

第三十一条の解説

インターネット異性紹介事業者が第十四条又は第十五条第二項第二号に定める、 事業の停止や廃止に従わなかった場合は一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処すという内容です。

利用者の私たちには直接関係ない条文ですね。

第六章 第三十二条

条文

第三十二条  次の各号のいずれかに該当する者は、 六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

  1. 第七条第一項の規定による届出をしないでインターネット異性紹介事業を行った者
  2. 第九条の規定に違反した者
  3. 第十三条又は第十五条第二項第一号の規定による指示に違反した者

第七条第一項は、「インターネット異性紹介事業の届出」に関する条文です。

第九条は、第七条第一項の届出をした者の「名義貸しの禁止」に関する条文です。

第十三条は、「インターネット異性紹介事業者に対する、 児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要な指示」に関する条文です。

第十五条第二項第一号とは、インターネット異性紹介事業者に対する 「処分移送通知」に関する条文です。

第三十二条の解説

つまり、下記に違反した場合は6ヶ月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処せられるということです。

  • インターネット異性紹介事業の届出をしなかった場合
  • 名義貸しをした場合
  • 児童の健全な育成に障害を防止する指示に従わなかった場合

出会い系サイトの90%以上は無届の違法サイトといわれています。 検挙されても高々百万円程度ですむんですね!

その間に百万円以上稼げば言い訳で、悪徳サイトがはびこるのもうなずける気がします。

第六章 第三十三条

条文

第三十三条  第六条(第五号を除く。)の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する。

第三十三条の解説

第六条は冒頭でも説明したように、「児童に係る誘引の禁止の条項」に関する罰則で 私たち利用者に直接かかわる条文です。

誘引とはたとえば次のような書込みです。

  • 女子高生希望。Hさせてくれませんか?
  • 中高生の女子へ援助します
  • 女子中学生の方ホ別3で会いましょう
  • JK3年生今すぐサポありで!
  • 可愛い女子高生で暇な子これからデートしょう
  • 中学生の女の子お友達になりませんか?
  • 女子高生の恋人募集中

このような掲示板への書込みはしないようにして下さい。 違反すると、百万円以下の罰金に処せられます。

この第三十三条は私たち利用者にとってとても重要な条文です。 この条文だけはしっかりと、頭に叩き込んでこきましょう!

第六章 第三十四条

条文

第三十四条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

  1. 第七条第一項の規定による届出に関し虚偽の届出をし、 又は同項の添付書類であって虚偽の記載のあるものを提出した者
  2. 第七条第二項の規定に違反して届出をせず、若しくは虚偽の届出をし、 又は同項の添付書類であって虚偽の記載のあるものを提出した者
  3. 第十六条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、 又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

第三十四条の解説

第七条第一項、第七条第二項とは前出を参照下さい。

インターネット異性紹介事業を行うものが、 虚偽の届出などを行っときに三十万円以下の罰金に処せられます。

第六章 第三十五条

条文

第三十五条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、 使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、 第三十一条、第三十二条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、 その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第三十一条とは

第三十一条  第十四条又は第十五条第二項第二号の規定による命令に違反した者は、 一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第三十二条とは

第三十二条  次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は 百万円以下の罰金に処する。

  1. 第七条第一項の規定による届出をしないでインターネット異性紹介事業を行った者
  2. 第九条の規定に違反した者
  3. 第十三条又は第十五条第二項第一号の規定による指示に違反した者

第三十五条の解説

第三十一条および第三十二条については前出を参照下さい。

第三十五条では第三十一条および第三十二条に違反した本人のほか、 その法人またはその代表者にも罰則が適用されるということにです。

第六章 第三十六条

条文

第三十六条  第二十二条の規定に違反した者は、二十万円以下の過料に処する。

第二十二条とは

(秘密保持義務)

第二十二条  登録誘引情報提供機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、 誘引情報提供業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

第三十六条の解説

第三十六条は「登録誘引情報提供機関」に対する処罰を定めています。

「登録誘引情報提供機関」とは、第六条にある「禁止誘引行為」の書込みを監視しその情報を インターネット異性紹介事業者に提供を行うものです。

第六章 第三十七条

条文

第三十七条  第十九条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する

第十九条とは

(表示の制限)

第十九条  登録誘引情報提供機関でない者は、誘引情報提供業務を行うに際し、 登録を受けている旨の表示又はこれと紛らわしい表示をしてはならない。

第三十七条の解説

登録誘引情報提供業務を行うものは国家公安委員会の登録を受けることができますが、 登録されているような表示をすると十万円以下の過料に処せられます。

利用者の私たちには関係のないことですが、なぜこのような罰則があるか不明です。

サイトの利用者が注意すべきこと

規制法での罰則は以上です。

罰則は次の3者に適応されることが理解できたと思います。

  • インターネット異性紹介事業者
  • 登録誘引情報提供機関
  • サイト利用者

そして利用者の私たちは、「児童に係る誘引の禁止の条項」を 守らなければならないことを理解しました。

しかもこの条項は実際に児童買春の有無に関係なく、適応されます。

児童買春は別の法律で、最大で6か月以下の懲役、または100万円以下の罰金がかせられます。

刑事罰はもちろんですが、罪を犯した人にとって一番きついのは社会的な制裁です。 気を付けましょう。

このような法律があるのに、それを守らない違法サイトが多数ネット上にあふれています。

出会い系アプリのように、年齢確認を行っておらず相手が児童かどうか判断つかないところもあります。

書き込みも、隠語を使って目的を分かりにくくしている場合もあります。

こういった書き込みに釣られてしまった場合 「知らなかった・・・」では済みません。

自分の自覚のないとところで犯罪に巻き込まれる恐れもあるのです。

利用するサイトの選択には充分注意しましょう。