1. 援助交際と隠語

出会い系で隠語使われる理由

当セクションで、規制法の条文を具体的に見てきましたが、 そこで児童を性交等の相手方となるように誘引してはならないことを学びました。

しかし現実にはそれを知っててか知らずか、 児童買春にまつわる書込みがネット上に氾濫しています。

そして児童に対する性的行為が発生しているのも事実です。

隠語は業界用語のように、仲間内だけで通じる専門用語のようなものです。

援助交際や児童買春にまつわる書込みには、しばしば隠語が使われます。

それは事実をカモフラージュし、後ろめたい気持ちや罪の意識を和らげる効果があるからです。

出会い系で使われる隠語の例

出会い系で使われる隠語には例えば次のようなものがあります。

  • JK・@3・ゴ有
  • 円光希望・ホ別・ゆきち5
  • ネ申待ち・71

これらの意味は順番に。

  • 女子高生です。三万円で売春します。ゴム有りでお願いします
  • 援助交際希望です。ホテル代は別で、5万円です
  • 泊めてくれる人を探しています。17歳です。

といった内容になります。

隠語には一種の安心感や連帯感みたいなものを感じさせます。

現実的には生々しい内容ですが隠語にはそれを和らげる効果があり、 みんなが使っているからとの安心感や自己弁護の効果があるようです。

最初は罪悪感や抵抗感があっても、日ごろからこのような 隠語を使っていると徐々にその感覚が薄まり、日常的なものになってしまいます。

隠語には犯罪をカモフラージュする力があります。

後ろめたい気持ちがあったり、自分のしていることが犯罪だとわかっている場合、 人はそれを隠そうとします。

そんなときに隠語は使われます。

児童買春を誘引する危険な出会いアプリ

このように隠語を使った児童買春を誘引するような書込みがネット上に溢れています。

しかし法を遵守した優良出会い系では、 このような書込みは削除されたり伏字にしたりしています。

第十二条(児童の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止措置)で禁止誘引行為に係る異性交際に関する情報を 閲覧できないよう処置するように求められているからです。

法を遵守した優良サイトではこれが適正に行われ、 書込みをするほうも閲覧する側にも不用意に犯罪に巻き込まれないようになっています。

もちろんそれらは完璧ではないので、利用者側で注意する必要があります。

規制法の適応を受けない、出会いアプリやスマホアプリなどではこのような書込みが そのまま記載され、それが普通のごとく常態化し何の違和感も感じなくなっています。

それゆえに、このような出会いアプリでは児童を巻き込んだ犯罪が増加しているのではないでしょうか?

今後の出会い系について

この法律の施行後、児童を巻き込んだ出会い系での犯罪は年々減少しています。

しかし犯罪の減った現在でも、過去のイメージが払拭されず、出会い系のイメージは 決して良いものではありません。

海外ではフランスの出会い系「Meetic」が、ヨーロッパの代表的な証券取引所である ユーロネクストに上場しており、その健全性が証明されています。

同様に中国では「世紀佳縁(Jiayuan )」というサイトが米国の新興企業向け株式市場である ナスダックで上場し、国民に認知され人気のサイトとなっています。

日本においても、ツヴァイが結婚相談所として上場しておりますが、 出会い系はまだ完全に負のイメージが払拭されずそこまでに至っていません。

しかしながら優良サイトであるワクワクメールやPCMAXなどは、 都内などに野外広告を掲げるまでになりイメージ向上につながっています。

徐々にではありますが、出会い系は一つのカルチャーとして世に認知されつつあるようです。

健全な大人の出会いの場として活用され、多くの素敵なカップルが誕生して欲しいものです。

そのためにも私たちは更に法を遵守し、事業者と利用者が協力して、 犯罪のない健全な出会い系を育てていかなければならないと思います。